テクニクス EAS-10F20を使った木組みスピーカーエンクロージャー

高校時代に作った作品です。

通っていた高校の3年の選択科目で、私は工芸科を選びました。その前半6ヶ月は、木工作品を作る課題でした。

イモ接ぎよりも組み手で

制作物はスピーカーエンクロージャーに決め、オーディオ雑誌の製作記事を参考に設計図を書きました。板同士はイモ接ぎで接合するものでした。

図面を先生に見せたところ、「接合は組み手を使うように」との指示。組み手を使ったエンクロージャーの製作記事はそれまで見たことがなく、「製作が複雑になるだけで音響的には効果がない」と内心は思ったのですが、結局、先生の言うとおりに設計し直すことにしました。

今思えば、「作品の機能よりも芸術性を意識しなさい」という先生のメッセージだったのかもしれません。

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工作室にこもる日々

その後は、放課後に工作をする日々が続きます。クラスメートが予備校で受験勉強をしていたころ、私は工作室で電気カンナを使ってベイマツ材を削っていました。

組み手は、5枚組接ぎにしました。天板・側板・底板の接合部すべてがうまくはまるように組み手を切り出すのは、相当骨の折れる作業でした。けれども、組み手で箱を作り上げるのは一つの完全な有機体を生み出す作業のようにも思えてきました。箱の角部に周期的に表れる模様が美しかったこともあり、だんだん組み手の調整にのめり込んでいきました。

組み手が完成したところで夏休みが来たのですが、休み中に木が思い切り反ってしまうハプニングがありました。休み明けの9月には全然はまらなくなっていて、泣く泣く組み手の形を再調整したことをよく覚えています。作品で組み手部分の表面があまりきれいに揃っていないのは、そのためです。

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塗装は茶色系のステインで染めた後に、ニスで仕上げています。ステインは自分で色を調合しましたが、もっとスピーカーらしい色にできていれば、と後で思いました。

テクニクスのスピーカーユニット

スピーカーユニットはテクニクスの10cmフルレンジ、EAS-10F20です。ボイスコイル部が大きいのが特徴で、コーンと同じくらいの直径があります。小口径のフルレンジにしては低音特性が良いのが、カタログでのセールスポイントでした。

電気関係のパーツを買ったのは、京都・寺町四条の電気街です。スピーカー、無酸素銅ケーブルとグラスウール吸音材をタニヤマムセンのオーディオコーナーで買いました。こんな本格的なパーツを買ったのは初めてで、自分がオーディオマニアの仲間入りをしたような感じがして、少しどきどきしました。

今はエッジのウレタン部分がぼろぼろになって抜け落ちています。片方のセンターコーンにはへこみもあります。最近、音出しをしていませんが、おそらくまともな音は出ないのでは・・・。

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今のDIYの原点

この作品は、木組みで作ったところを先生に非常に気に入ってもらいました。1月には市立美術館の展覧会で展示され、奨励賞をいただきました。その賞状は、今も実家で大切に保管しています。

この工芸科の授業で、今の私につながるDIYの原点が形成されたように思います。

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