ニキシー管時計の製作 (8) ケースの製作と塗装

ケースの製作に入ります。

ここから先は、もしやり直しになると非常に手間がかかります。ですので製作の前にきっちりした寸法図面を描いて、形状に問題点や不満足な点がないかを十分にチェックしました。

ニキシー管時計で留意する点を一つあげるとすれば、それは管の視野角です。一般にニキシー管の視野角は液晶やLEDほど広くはありません。ですから、実 際に時計を置くシチュエーションを想像して、視線に対してニキシー管がなるべく正面を向くような配置をするのが好ましいと思います。私の場合は、管を垂直 から25度傾けて配置することにして、ケースの形状もその傾きに合うように設計しました。

ケースをどんな材料・形状にするかというのは、作る人の独創性の見せどころとも言えます。今回の作品では、ニキシー管の形状とも共通するような、直線と 円弧を規則的に組み合わせたシンプルなデザインを基本としました。また材料は、木の暖かみが好きなので木材をメインにすることとしました。

木の加工は、途中までは木材加工業者さんに依頼しました。厚さ12mmのタモ無垢板を切断し、面取りしてもらった加工材を入手しています。
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まず加工材の全面を320番のサンドペーパーで研磨して、塗装前の下地を整えます。塗装に先立って、補強用のL金具を取り付け、天板に2つの側板を接着 します。先にL金具を付けておくのは、ケースの構造上、組み立て後ではドライバーが入りにくいところをネジ止めしなければならないためです。
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接着後すぐに、サシガネ等を使って天板と側板の直角をきっちり出しておけば、後の底板や背板の製作工程が楽になります。

接着剤が十分に乾いたら、塗装工程に入ります。

塗装にはいくつかの方法があります。私は以前、着色ニスの塗装をやったことがあります。着色ニスは色付けとニス塗りが一度にできて便利なように思えたの ですが、実際には、①塗り重ねると色が濃くなって木目が見えづらくなる、②塗りムラがそのまま色ムラになってしまうのできれいに仕上げにくい、という経験 をしました。今回はオイルステインで染めた後に透明ニスを塗る正攻法でいくことにします。
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オイルステインを50%に薄めたものを塗り、すぐにウエスで拭き取って乾燥させる、という工程を2回繰り返します。ナチュラルに近い雰囲気を出したかったので色付けは薄めにしています。
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オイルステインが乾燥したら、下塗りとしてネオラックニスを1回塗り、乾燥させます。その後、400番のサンドペーパーで表面を軽く研磨してから、透明クリアーの油性ニスを塗ります。

ニスの塗膜はなるべく厚くした方が表面に深みが出てきれいですが、一度に厚く塗ると、塗りムラが出てしまいます。きれいに仕上げるには、薄塗りと乾燥を何回も繰り返すのがベストです。
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この作品では、10~20%ほど薄めたニスを20回塗り重ねました。通常はニスの重ね塗りは2、3回程度なので格段に多い回数ですが、外観は重要なので とことんこだわりました。また、2回塗り重ねるごとに400番のサンドペーパーで塗装面を研磨しています。乾燥に十分長い時間をとったため、この工程だけ で約2ヶ月かかっています。
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塗り重ねるごとに表面が深みを増しているのが、上の写真でおわかりいただけることと思います。木材の繊維感をやわらかく残しながら、光沢と奥行きもある仕上がりになりました。

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