iZotope RXでPCMレコーダーのタッチノイズを消す方法

PCMレコーダーを手に持って録音するときに、混入してくるのがタッチノイズ。マイクとレコーダーが一体になっている構造上、避けるのが難しい厄介なノイズですが、iZotope RXでは比較的消しやすい種類のノイズと思います。

HKA4-01

お題の映像はこちらです。ノイズを消した箇所から再生します。

特にどうと言うことのない、電車の走行音ですが、オリジナルではこうなっていました。2.2秒のwavファイルです。

レールの継ぎ目を渡る音の間に数回、クリック音のようなものが聞こえます。該当部分のスペクトラムは、RXでこのように見えます。

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1分53.750秒付近から細い縦すじが数本、断続的に発生しているのがわかります。これがタッチノイズです。最初の一本を拡大します。

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ノイズの持続時間は10ミリ秒程度です。Time-frequency selection toolでノイズ部分を選択します。

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周波数帯域は3097Hzより高周波の領域を選択しています。実際にはノイズはもっと低周波側まで広がっていますが、他の音(電車の走行音)に埋もれかけている帯域は、修正しなくても聴感上、気にならない場合が多いです。むしろ無理に修正すると違和感が出ます。

右端の「+」印のアイコンをクリックして、Spectral Repair moduleを起動します。

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“Attenuate”、”Replace”、”Pattern”、”Partials + Noise”という4つの修正モードがあり、それぞれに調整するパラメータがあるので、どうすればいいのか迷うところです。

ここでできるだけノイズが自然に消えるモードを試行錯誤で探すことになるのですが、いくつか試していると、ノイズの種類に対して最適なモードが何となくわかってきます。このタッチノイズの場合には、Patternモードが最も有効でした。

Patternモードは、修正部分の周辺で修正部分に最もよく似た音声の部分を探索して、修正部分をそれに置き換えます。パラメータのBandsは修正に用いる周波数のバンド数、Surrounding Region Lengthは、修正で用いられる時間範囲を表します。BandsとSurrounding Region Lengthは互いに連動しています。周波数のバンド数が多ければ音質的に良い修正結果が得られそうに思えますが、修正に必要な時間範囲も長くなってしまうので、一概には何とも言えないようです。

Pattern Search Rangeは、置き換える対象の音を前後何秒の範囲で探索するかを指定します。電車の走行音のように時間的変化が緩やかな音の場合には、比較的長い時間を指定したほうが良い結果が得られます。

修正モードとパラメータを設定したら、効果の度合いを試聴します。Compareをクリックします。

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Compare Settingsのウィンドウで、修正前(Original audio)と修正候補(Spectral Repair: Settings 1)の音声を比較できます。Spectral Repair: Settings 1をクリックすると、スペクトラム画面で修正部分が自然に補間されていることがわかります。修正が不自然な場合にはスペクトラムのつながり具合が良くないので、音声を再生しなくてもある程度見当が付きます。

Previewをクリックすると音声を再生できますが、このままでは選択領域の短い時間範囲しか再生されないので効果を判断しにくいです。Time selection toolで修正部分を含む前後数秒の時間を選択し直してから、Previewで再生したほうがわかりやすいです(修正部分の選択範囲は記憶されています)。

ウィンドウの下端のEnable loopingを有効にすると、何回でもループさせて確認できます。

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Previewで自然に消去できていれば、Processをクリックして修正処理を実行します。

touch07

これで一カ所、タッチノイズを消せました。同じようにして、あと5カ所を消去します。同じ種類のノイズに対しては多くの場合同じ修正処理が使えるので、2カ所目以降は速く作業できます。

touch08

こちらが修正後の音声です。

タッチノイズ消去の効果を、修正前と聴き比べてみてください。修正前の音声ファイルを再掲します。

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