RMAAでオーディオインターフェースの出力特性を比較する(2)

RMAAでオーディオインターフェースの出力特性を比較する(1)では、RightMark Audio Analyzer (RMAA)を使って、サウンドデバイスの出力特性だけを測定する手法を説明しました。ここからは、実際の測定手順を説明します。

サウンドデバイスの切換

サウンドデバイスは、「コントロールパネル」ー「サウンド」の再生タブで切り換えることができます。右クリックメニューで「既定のデバイスとして設定」を選択すればOKです。

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サウンドデバイスの設定

測定対象のデバイスによってまちまちなので、下は一例です。出力条件などをできるだけ統一した設定にしておきます。

オーディオインターフェース Audio Kontrol 1は、設定項目は3つしかありません。サンプリング周波数の設定がありますが、これは再生する音声ファイルのフォーマットに応じて、自動的に変えてくれます。

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オンボードサウンド ASUS Crystal Sound 2 (Realtek ALC892)の設定項目はやや複雑です。スピーカー設定を「ステレオ」にし、ウィンドウの下端に並んだ出力をクリックして、出力先のデバイスを選択します。後述しますがこれが結構くせもので、「スピーカー出力」の”Auto”以外を選択すると、出力に変なイコライジングがかかるようです。

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テスト信号の作成

RMAAを起動して、テスト信号の量子化ビット数とサンプリング周波数を選択します。下のスクリーンショットでは16bit、48kHzにしています。ウィンドウの下の方にある”Generate / Analyze”の中にある”Generate WAV”ボタンをクリックします。”Save the test signal as”ウィンドウが出るので、”Caliblation Signal.wav”と”Test Signal(48kHz 16-bit).wav”を保存します。

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デジタルレコーダーの接続

測定対象のサウンドデバイスの出力をレコーダーのライン入力に接続します。今回は手持ちのPCMレコーダーを使いました。TASCAMのDR-05です。

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テスト信号の録音

お好みのプレーヤーソフトからキャリブレーション信号 ”Caliblation Signal.wav”を再生して、サウンドデバイスの出力レベルとレコーダーの録音レベルを調整します。目標のレベルピーク値は-1dB~-2dB程度にして、信号が飽和しないようにします。

出力レベルは、S/Nが最良になるレベルを探す方法もあると思いますが、私は現実のリスニング環境で設定するレベルを出力レベルとしました。

今回はRMAAのループバック機能を使わないので、プレーヤーソフトは何でもありです。プレーヤーソフトによる音の違いを分析するなど、マニアックなこともできるでしょう。

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レコーダーの録音フォーマットはwavにして、量子化ビット数とサンプリング周波数を設定します。今回は16bit、48kHzにしましたが、ビット数、サンプリング周波数ともにもっと大きくした方が良いかもしれません。

調整ができたら、テスト信号 “Test Signal(48kHz 16-bit).wav”を再生して、レコーダーに録音します。測定対象のサウンドデバイスすべてに対して、同じように録音をします。

RMAAによるwavファイルの分析

再びRMAAを起動して、ウィンドウの下の方にある”Generate / Analyze”の中にある”Analyze WAV”ボタンをクリックします。「ファイルを開く」ウィンドウが出るので、録音したwavファイルを開きます。

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RMAAでwavファイルが分析された後で、”Select Slot”ウィンドウが出るので、適当なスロット名を入力して空きスロットを選択すれば、テスト結果が表示されます。

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テスト結果の出力条件

テスト結果の一部を示します。出力は以下の5種類です。

  • Audio Kontrol 1
    • ラインアウト出力
    • ヘッドホン出力
  • ASUS Z97-C Crystal Sound 2 (Realtek ALC892)
    • リアアウト出力(スピーカー・オート設定)
    • フロントアウト出力(スピーカー・オート設定)
    • フロントアウト出力(イヤホン設定)
周波数特性

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ALC892のリアアウト出力が結構高域まで出ています。フロントアウト出力のスピーカー設定は高域特性がかなり悪いです。逆にイヤホン設定は高域が不自然なくらい持ち上がってるので、人為的なイコライジングがかかっていると思います。ALC892ではオート以外のスピーカー設定にした場合にも、不自然な周波数特性が見られました。

Audio Kontrol 1は、高域・低域の平坦性でALC892のリアアウト出力にわずかに劣りますが、ラインアウト出力とヘッドホン出力の特性はほぼ完全に一致していて、さすが音楽用のオーディオインターフェースだけのことはあります。

ノイズ特性

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サウンドデバイスによる差が最も大きかったのがノイズ特性です。Audio Kontrol 1が全域にわたって低ノイズでした。ALC892のリアアウト出力はそれよりも10~20dBノイズレベルが高く、フロントアウト出力はさらに悪い結果です。フロントアウト出力は、配線がマザーボードやハードディスクの近くを通ってケース前面に出ているので、ノイズを拾いやすいのかもしれません。周波数特性も考え合わせると、ASUS Z97-C Crystal Sound 2のフロントアウト出力は使うべきではない、という結論になります。

高調波歪み特性

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高調波はALC892の方が、Audio kontrol 1よりもやや少なめでした。

音を聴き比べると・・・

5つの出力条件の音を聴き比べられるようにしておきます。ALC892のリアアウト出力は、Audio Kontol 1と比べてそれほど悪くないように感じられたのですが、いかがでしょうか。

ファイルはいずれも16bit、48kHzのwavフォーマットです。曲はArturiaのドラムマシン Spark 2のサンプルを使っています。

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