ニキシー管時計の製作 (1) ニキシー管とは

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ニキシー管をご存じでしょうか。「ニキシー管」という言葉を知らなくとも、写真を見て「あぁ懐かしい」と思う方はおられるでしょう。

この実物を見たことがあるかどうかは、世代によって違うのかもしれません。30年ほど前には当たり前のように見かけたものが、急に消滅してしまったのですから。

ニキシー管(Nixie Tube)は数字や文字を表示する放電管で、アメリカの電子部品会社 Haydu Brothers によって1954年に開発されました。当初、この表示素子は研究開発用や軍事用の機器に用いられました。

その後、日本の電機メーカーを含む多数のメーカーがニキシー管を生産するようになり、業務用機器の数字表示に広く用いられるようになりました。例えば大 型コンピュータのディスプレイ、初期の電卓、公共施設やエレベータの表示盤などの用途です。日本で最も良く見かけたのは、駅の切符自動券売機の金額表示でしょう。

けれども、ニキシー管が広く使われた期間は決して長くはありませんでした。1970年代には7セグメントの発光ダイオード(LED)や液晶ディスプレイ (LCD)が新たな表示素子として登場します。これらの素子は、ニキシー管と比較して格段に低い電圧で動作させられるという、機器設計上の圧倒的なメリットがありました。

ニキシー管を駆動するには160~180Vの電圧が必要なため、通常何らかの昇圧手段が不可欠です。これに対しLEDやLCDは5V程度の電圧でも問題 なく動作するので、携帯用機器でも電池の電源をそのまま使うことができますし、集積回路(IC)との親和性も良好だったのです。

その結果、ニキシー管は1980年代には駆逐され、最終的にすべてのメーカーがニキシー管の製造を停止してしまいました。今日、その姿を見かけることはほとんどありません。

しかしながら近年になって、ニキシー管表示のレトロな美しさが再評価されるようになりました。愛好家の間では、倉庫に眠っていたデッドストック品のニキシー管を入手して、手作りのデジタル時計や温度計を作ることが流行しつつあります。

さて次回は、私がニキシー管を入手したときのことからお話ししましょう。

(FERMATA SOFTWARE コラムから転載)

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